内部通報に関する基礎知識や事例
内部通報制度とは、事業者などの法令違反等を未然防止・早期発見するため、従業員等からの内部通報を受け付け、情報提供者を保護しつつ、適切な調査や是正、再発防止策を講じる仕組みをいいます。
「内部通報」や「内部告発」と聞くと、組織への裏切りというイメージを抱く方は少なくありません。しかし、不祥事が原因で解体を余儀なくされた企業は少なからず存在し、事業者等のコンプライアンスが重視される今日において、内部通報制度の必要性がより高まっています。内部通報制度を整備することで期待できる効果として、以下のものが挙げられます。
(1)法令違反等の不祥事の未然防止
内部通報制度を整備し、従業員等に周知徹底することで、不正行為や法令違反行為を行えば、自分が通報の対象になるという一種の緊張感が生じます。これにより従業員等が業務に法令違反等がないか注意するようになり、不祥事を未然に防ぐことが期待できます。実際に、消費者庁の調査によれば、内部通報制度を導入した効果として、「違法行為への抑止力」となったという回答が最も多く挙げられています(消費者庁|平成28年度 民間事業者における内部通報制度の実態調査報告書)。
(2)法令違反等の不祥事の早期発見
内部通報制度を導入することにより、事業者等が不正行為や法令違反行為の存在を早期に発見することが期待できます。リスクの早期発見によって、早い段階で是正措置を講じることができ、不祥事が拡大することを防ぐことができます。組織内で不正を発見し、対処する作用(自浄作用)を発揮させることで、コンプライアンス経営を行い、安心・安全な製品や役務の提供につながります。
(3)事業者内外からの信頼の形成・向上
内部通報制度を充実化すれば、株主や取引先、消費者等のステークホルダーに対してアピールすることができます。また行政機関からの評価につながり、優遇税制や補助金等が受けられやすくなるでしょう。加えて、労働者や学生からの評価につながり、優秀な人材の確保が期待できます。このような、事業者内外から信頼を勝ち取ることで、企業価値の維持・向上を図ることができます。
近年、内部通報制度に関連する法律である「公益通報者保護法」の見直しが図られ、改正法が2022年(令和4年)6月までに施行されます。一定規模の事業者に、窓口設定や、調査、是正措置等の必要な措置等を求めるなど、今回の改正により、事業者が対応すべき事柄も増加しました。お困りの際は、弁護士等の法律専門家に相談しましょう。
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