内部通報・外部通報の違い
内部通報制度を導入するにあたって、通報窓口を設置することになります。通報窓口には大きく分けて、事業者内部に設置する「社内窓口」と、弁護士等に委託して事業者外部に設置する「社外窓口」の2種類があります。前者を通じて情報提供することを内部通報、後者を通じて情報提供することを外部通報といいます。
なお、報道などで目にする「内部告発」は、内部通報制度が導入されていない(通報窓口を設置していない)事業者に関して、報道機関などの外部に通報することをいい、厳密に言えば、内部告発と外部通報は異なります。ただし、このような区別を行っていないメディアもあります。
消費者庁は2016年(平成28年)に「民間事業者における内部通報制度の実態調査」を実施しています。この調査報告書によると、通報窓口の設置場所として「社内外いずれにも設置」と回答した割合は全体の約60%と最も高く、また従業員数が多い事業者ほど「社内外いずれにも設置」と回答した割合が高いとしています。「社内のみに設置」と回答した割合は約30%程度、「社外のみに設置」と回答した割合は約7%とされます(以上につき、「平成28年度民間事業者における内部通報制度の実態調査報告書」(消費者庁)参照)。通報窓口を設置している事業者の多くは、社内外窓口のいずれにも、あるいは、社内窓口のみ設置しているといえます。
社外窓口を設置する理由について、上記調査報告書によると、次の点が挙げられています(複数回答)。
・通報内容について社内事情に左右されずに中立・公正な対応をとりやすい(68.7%)
・直接の面識がないので、従業員が心理的に通報しやすい(51.8%)
・通報者の匿名性を確保しやすい(48.3%)
・通報への対応に専門性がある(48.0%)
・通報先の選択肢が多い方が、より多くの通報が寄せられる可能性が高い(44.4%)
このように、社内窓口にはない大きなメリットがあり、内部通報制度の充実化を図るという点では、社外窓口も併せて設置するとよいでしょう。社外窓口の設置場所としては、法律事務所(顧問弁護士又は顧問ではない弁護士)と回答する事業者が多くあります。社外窓口を検討する際は、弁護士に相談するとよいでしょう。
Yz法律事務所においても、貴社の内部通報制度の社外窓口として担当をさせていただくことが可能です。内部通報でお困りの際は、Yz法律事務所までご相談ください。
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